日本はどこも大差ないんじゃないの?なのに…
僕は旅をするのが好きだから、日本各地を旅行したことがある。
大都会から地方都市、田舎町や秘境まで、ありとあらゆる土地をバイクや電車やバスで訪れたことがある。
観光地はそこそこに、その土地土地の人がどんな環境に囲まれ、どんな日常生活をしているのかを、味わえる場所に行くことが多かった。
旅に行くたび、日本という国は、多様な風土や地域性の土地が集まってできているんだな、と実感できる。
しかし、それでも気づいたことがある。
日本国内は、どこで生活しても基本的なレベルは大差ない。
★本当に都会と地方の格差はあるの?★
日本という国は、東京と地方という地域格差は存在するものの
どこへ行っても、電気や水道やガス、テレビやインターネットなどのインフラが整備されており
雨露や虫をしのげる住居に住め、それなりの衣服を着ることができ、夜一人で出歩いても滅多に襲われないような安全な国だ。
敢えて格差を挙げるなら、買い物ができにくい人がいることやテレビ東京系が見れないこと、高齢化が進んで限界集落が現れたり、地方に仕事がなかったり(代わりに生活費が安い)と、そんなところだが、それでも人間が安息に住むことを脅かされるほどではないはずだ。
地方も都会も、そんなに生活レベルは変わらない。
日本はどこへ行こうが大差はないと実感したのは、
5年前に、タイ、カンボジア、ラオスをバックパッカーしたときだった。
そこは日本ほどインフラが整備されていない。
幹線道路が舗装されていなかったり、水道水は衛生上飲めないし、部屋の網戸の隙間からマラリヤを媒介する蚊が入ってきたり、トイレや風呂が汚かったり、そもそも治安が悪い場所も多い。
大都市や観光都市は、インフラが整備されて、日本人が安全や衛生を気にしすぎるほどでもないが、
地方に行けば、高床式住居で生活していたり、道路がろくに通じておらず、車での行き来ができない場所があったり、
昔話の世界に出てくるような風景を、現代でも見ることができるくらいなのだ。
(とはいえ、Tシャツを着ていたり、携帯電話を持っている人もとても多く、アンバランスだが)
そんな本当の意味で地域の格差が多い発展途上国から見れば、
日本国内の格差なんて、同じに見える。
どこも車でスーパーに乗りつけ、安全な食料を買い物し、オフィスや工場で仕事をし、インターネットやテレビを見たり、アマゾンでモノを買ったりすることができる。
外を歩いていて殺人鬼に襲われるのは、テレビの中の出来事くらい機会がないし、病院で医療にかかって治療を受けることもできる。
「住みたい街ランキング」が毎年発表され、東京では吉祥寺や恵比寿、関西では西宮や梅田がだいたい1位2位に来る。
一方、東京では山谷あたり、大阪では西成あたりが、ガラが悪く、イメージが悪い街として上がってくるが、
発展途上国から見れば、そんなところさえ、大した差がないように見えるのだ。
くだらないドングリの背比べに見えてしまうのだ。