安いだけじゃない!安宿の楽しみ方
僕が旅を始めた高校生くらいから、安宿とは切っても切り離せなかった。*1
9年前くらいに、バイク乗りの安宿「ライダーハウス」*2や、外国人も泊まれる宿「ゲストハウス」*3が現れ、その値段の安さに、喜んで飛びついた。
安くて1000円、高くても3000円の世界に驚いた。
そして3年前くらいから、1~3000円が相場の安宿は、全国に波及した。
どの県の都市部にも、だいたい1軒はゲストハウスがあり、安宿旅行に困らなくなってきた。
僕が気軽に旅行できるようになったのも、この安宿(と夜行バスやバイク)のお陰だ。
しかし、宿に泊まれば、それで1日が終わり、というものではなく、
宿そのものにも楽しみがあるから、安宿はやめられない。
それは、「旅人たちとの会話」だ。
安宿にはだいたい「談話室」というのがある。
そこに夜な夜な宿泊者が集まって、会話をするのが、一つの楽しみなのだ。
年齢も職業も性別も国籍も違う、さまざまな立場の人々が、旅と安宿という軸を中心に集まってくる。
例えば最近の旅だったら、
岐阜県の下呂温泉にある「ゲローバルホステル」*4の談話室で。
メンバーは
・愛知県の大学生男子2人、自転車でやってきた
・東京の20代会社員男性、あくせくした海外旅行に飽きて、下呂に4日滞在
・大阪の20代女性、飛騨方面の旅、安宿は初めてらしい
・大阪の40代バイカー
・宿のオーナー、30代
・僕、バイクで長野や岐阜の山奥を散々巡ってきた
のような人たちが、酒やドリンクを飲んだりしながら
最初は旅にまつわる話や情報交換をしたり、
やがてそれぞれの日常や好きなものなどの話に移っていく。
そのうち「明日、○○方面行くけど、一緒に行く?」「いいね!」
というような話になることもある。
また、キッチンもあって、夕食・朝食の食材を買ってきて、そこで調理しているうちに、他の人と話が弾んだりすることもある。
もちろん、一夜だけのことなので、この談話室でそれっきり、ということがほとんどだが、その気軽さも、流れていく「旅」らしくて、悪くはない。*5
ビジネスホテルだと、その楽しみがない。*6
談話室もなければ、安宿のように相部屋でも二段ベッドでもなく、他の人と接する空間がないので、*7宿では何もやることがない。
ただ、旅でやることが多くて疲れたから寝たいとか、ずっと一人でいたいときには、これ以上良い空間はないと思うので、ごくまれに泊まりたくなるときはある。
今、ネット予約等で、あらゆる宿が安くなっている。
だからこそ、気分や楽しみ方に応じて、宿を選ぶ範囲が増えたな、と思った。
※だけど、最近名古屋の定宿が、音速別荘という安宿から、名古屋駅前のネットカフェに変わった。
だって安いし快適なんですよ。8時間ナイトパックで1200円ですよ!リクライニングシートも、ほぼ180度倒れるから、快適に寝れる。シャワーもある。
名古屋で夜遅くまで飲んで、始発で大阪に戻って仕事に間に合わすこともできますからね。やっぱ価格には勝てませんでしたねぇ。
*1:これから出てくる安宿が出てくる前は、ビジネスホテルやユースホステルがほとんどで、価格も安くて4000円台が当たり前だった。
*2:バイク乗りたちが集まっているので、バイク乗り特有の会話や情報交換、そしてイベントが行われることがある。なお、寝具やシャワーがない宿もあり、寝袋を持参する必要もある。
*3:外国人宿泊者も多いので、英語が話せないと外国人とコミュニケーションが取りにくいが、スタッフは日本人なので、日本人とやりとりすれば大丈夫。
*4:ずいぶんシャレが利いたネーミングだ
*5:この人とは仲良くなりたい!という人もいるけれど。
*6:旅館や民宿だと、宿の人と接する機会は比較的多いので、会話も楽しめる
*7:プライベートが確保されている、ともいえる