すごい日本奥地紀行【南信州編】 第7回 諏訪大社→御嶽山
【第7回】
(岐阜県)御嶽スカイライン→喫茶・五重塔→下呂温泉(3泊目)
長野秘境ツーリング。3日目は諏訪大社を通り、再び木曽へ。
御嶽山の脇を通り抜け、高原の道でハプニングに遭うのであった。
★諏訪大社
朝5時、起きてすぐに出発した。モーニングは諏訪湖あたりのすき家あたりで、300円定食できれば充分と思い、一路諏訪を目指した。
諏訪大社は行ったことがある人も多いと思うので、説明は不要かもしれない。*1
いくつか気になったところをピックアップ。
御柱祭りで知られているが、毎年テレビの映像で流れる御柱が、神社の四隅に立てられているのは、何か結界めいていて、不思議だった。これは見たことがない。
真新しい木。一番端には木に付いた御幣と札が付いている。
何を表すのだろう。
あとは、「痛絵馬」が奉納されていた。
日本や世界の神話や民話をキャラクター化したゲーム「東方プロジェクト」のキャラが、諏訪大社に関係があるということで、ゲームファン*3が訪れるようになり、イラスト付きの絵馬を奉納していっている。
見ていて楽しい。
諏訪湖。伊那から横断して御嶽山を目指す予定だったが、諏訪へ大きく寄り道してしまったので、予定していた旅程150km(余裕)から、210km(カツカツ)に増えてしまった。
朝マックをし、諏訪秋宮*4への参拝を済ませ、午前9時、木曽へ向かった。
★木曽平沢 木曽路に戻る
木曽には良質な宿場町がいくつも残っている。
今日のハイライトは、奈良井だったが、その手前に、地味ながらよく残っている宿場がある。
「木曽平沢」だ。
江戸時代からの建物が並ぶ町並み。黒く塗られた木の黒さが艶やかだ。
まさに漆黒の木の町といっていいくらいだ。
平沢は漆の町で、住民の8割が漆産業に関わっていたそう。*5
それにしても、自動車のボディと、日本伝統の建物って合ってないなぁ。
建物の前に駐車すると興ざめだから、まとめて駐車場に止めるとかして、別のところに置いて欲しい。
★奈良井宿
木曽平沢の隣に奈良井はある。こちらの方がとても有名なので、人でにぎわっていた。
まさに時代劇のような建物の並びが、一本の街道に沿って続いていた。
ここは中山道の途中の町。名古屋方面にはすぐ、鳥居峠という中山道最大の難所があり、そこを越える前に泊まっていく旅人で賑わったという。
奥には山が見える。そこを昔の人は歩いて越えなければならなかった。
暑い夏には、田舎の町の風景が似合う。それも思いっきり日本らしい町がだ。
だけど、暑いことは暑い。照りつける太陽。蒸し溜まる空気。時折、木曽谷をわたる一抹の涼風。汗はとめどなく流れTシャツを湿らす。
そんな束の間に、冷たい水。
時々、神社の手水のように、冷たい水をひしゃくですくって飲める場所がいくつかある。
スイカを一緒に冷やしているのが、にくいね。
ほんの束の間だが、生き返る。
たまらず、顔や首や腕に水を塗りつけた。
奈良井は観光地化していたが、昔ながらのスタイルの店から、いまどきの店までタイプは様々だ。漆の町*6なので、漆器を売っている店が多い。お土産屋やカフェもあり、食べ歩きも悪くない。
ぶどうのつたが絡まり、実までなって、軒先にぶら下がっている店。
昼12時近かったので、少し腹ごしらえに五平餅。
はんごろしにしつつも粒を残して固めたもち米に、黒っぽくて甘い味噌がかかる。味噌には木の実のような粒々が混ざっていた。
これは大人のお菓子の代表格だ。
子供の舌だったら、この複雑な味を、ただ無言になって切って捨てていただろう。
だけれど今ならわかる。粒々の細かい食感、ほろにがくも甘い味、モチモチの感触…。
べっとりと味噌が塗られたこのお八つを、長いすに腰掛け、待ち行く人を眺めながら、味わっていた。
開放感のある道に出た。
広い町の通りと、遠くの山が一体になったような風景だ。
夏なんだな~。
道の上でバレーボールをする子供。
観光客がすぐ横にいるが、その前でも日常の夏があって、町の本音(?)が垣間見れていいなぁと思った。
振り返って、奈良井の町を眺めれば、現代の人が、往っては還る昔の旅人の姿に重なって見えた。
町の端っこは、神社になっている。
ここで旅の安全を祈願し、また、無事を感謝するのだろうか。
午後1時。
途中の風景1
地元の子供たちが、鮎(?)のつかみ取りに興じている。
川には100人くらいの人が!
途中の風景2
コンビニに停まっている、見たこともないクラシックカー。
どうやって作っているんだろう。
★御嶽山のなぞ
そうしているうちに、御嶽山の脇を通って、岐阜県・下呂温泉へ抜ける道にやってきた。
噴煙なのか、雲なのか、御嶽山の頂上は見えなかった。
この旅、最後の山越えになる。
その道中で、気になるものがあった。
森の中に墓石がある…?
これはすごい。
墓地なんだろうかよくわからない。
入り口には鳥居が立ち、手前には、「木曽御嶽本教」と書いた鳥居が立つ。
ただのお墓というには、いまだかつて見たことのない感覚を放っている。
ここはいったい何だろうか。