流れて消えるだけじゃ、語り合えないから

この人いいな、という人は、前向きでも後向きでもなく、ただ中間の状態でその場を動いているだけ。

SNSが無かった頃の、ラジオでのつながり方

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僕がポッドキャストをやってるのは、

中学時代から「ラジオのDJになるのが憧れ!」ってのがあったからかもしれない。

 

AMラジオ中心に、ラジオ番組聴くの好きだったし(多いときは週30時間くらい)、

ハガキ送ってリスナーさんと交流したかったし、番組も作りたいって思ってたような学生時代だった。

 

僕が中学まで住んでた鳥取県のラジオ局に、若者向け番組があって、

そこでリスナーさんのおたよりにDJが答えてたり、悩み相談してたり、

リスナーさんの 送ったハガキに、ラジオ上でレスをする別のリスナーさんがいて、

リスナーさん同士の交流が電波の上で行われてて、この双方向の斬新さにハマってた。

 

ほどなく、地元のラジオ局にハガキを送りまくってた。

90年代後半当時は、ハガキやFAXが主流。

常連のことを「ハガキ職人」って呼んでた時代だ。

 

そしたら、ライバルも少なかったんで、すぐに読まれて、すごく嬉しかった。

自分が番組に参加して、名前を残してるわけだから。

それでますますハマってしまった。

 

毎週いろんなコーナーにハガキを送ってたら、そこでも次々採用されて、

一躍、名前を知られる存在になったのは嬉しかった。

 

中学ではそこそこの僕が、まさか皆の知らないところでラジオでこんなに名前を残してるなんて、って思うと、ニヤニヤしてくるものだった。

 

リスナーさんやDJとの初対面

 

ある日、番組でスタジオ見学ってのを毎週やっていると聞いたので、行ってみた。

 

ラジオ局では、目の前のブースでDJがハガキを読みながらしゃべってるのを見て、

衝撃を受けたのを覚えている。なんかかっこいい。

 

スピーカーの前の声と姿が違うけど、ハガキを持つ仕草 が、イイ。

 

で、横にリスナーさんがいて、ちょっと会話をする。

「僕、○○っていうんですけど…」

「え?○○さんですか?知ってますよ!」

 

顔は知らないけど、名前は知っててくれてるんだ、って思うと、嬉しかった。

知らない人だけど、共通点ができた感じ。

スタジオでは、DJがおたよりを読みだすんだけど、僕の名前が呼ばれると、ドキドキしながらなんか照れくさいような嬉しくなる。

僕の目を見ながら読んでくれる。至福の時間だった。

 

そうして番組が終わって、スタジオから出たDJさんや、見学に来てたリスナーさんたちとお話をした。

番組を通じて、輪に入れてる!

それが嬉しくて嬉しくて…忘れられない。

 

そして録音された番組を、後に聞くのがまた、ニヤニヤした。

そんなふうにして、僕はラジオにハマって、DJに憧れた。

 

SNSがなかった頃の、知らない人とのつながり方

 

これまでは90年代のラジオ番組の話だった。

 

現在は、ハガキを送ることよりも、メール投稿が主流になり、ハガキ職人は、ネタ職人へと名前を変えた。

 

また、ラジオ番組でよくあったことだが、

おたよりコーナーでのAさんの話題に対し、リスナーが反応し、来週、Aさんの話題にBさん、Cさん、Dさん…と、返答を返すというコミュニケーションが行われていた。

 

これは現在ではあまりみられないかもしれないが、

リスナー同士がコミュニケーションする場は、番組の上から、ネットの掲示板、さらには、SNSへ主流が移っているのは間違いない。

 

SNSの方がタイムラグなく会話でき、メッセージも放送局を通さないので、採用/不採用の壁を通さず、リスナー同士で直接やり取りができるようになった。

これは本当に便利だとは思う。

 

 

「昔は良かった」と言うつもりはないが、ラジオでみられたやり取りの形がなくなっていったのは、少しさみしい。

しかし、ラジオを媒体にしつつも、SNSでリスナー同士が交流しやすくなったということも、メリットだと思う。

 

 

鈍行列車で峠を時間を掛けて越えるか、

新幹線でトンネルをいくつもすっ飛ばし、東京大阪間を行き来しやすくなるか。

 

どちらにもその良さはあるのだ。

 

ただ、どちらの良さも、記憶にとどめておきたい、そう思ってここに書いた。