流れて消えるだけじゃ、語り合えないから

この人いいな、という人は、前向きでも後向きでもなく、ただ中間の状態でその場を動いているだけ。

すごい日本奥地紀行【南信州編】 第2回 木曽の早い夜→大平峠

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【第2回】

大阪→→岐阜県瑞浪→馬籠宿→(長野県)妻籠宿木曽福島→上松(1泊目)

大平峠・大平宿→赤石峠→遠山郷→小嵐稲荷神社→下栗の里→しらびそ峠→大鹿村→分杭峠(2泊目)

諏訪大社奈良井宿御嶽神社開田高原岐阜県御嶽スカイライン→喫茶・五重塔下呂温泉(3泊目)→

善光寺→岐阜大仏→長良川沿いに続く道→→大阪

 

 

 

★前回まで

午後4時半。木曽谷の夜は早く、店はみんな7時前には閉まるとか。

それまでに食料の確保と夕食をすませなければならない。どうする?

 

 

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木曽福島

 

朝駆け夜打ち」。僕の旅行のモットーはこれ。

朝早く起きて行動し、夜は日が暮れるまで動き、夜の飲食店や宿でも歓談を楽しむというのが好きなんです。

 

午後4時半に旅を終わって宿に行くのは勿体ないので、先に行く予定をこなそう…

ということで、妻籠宿(前回参照)から40km北の、木曽福島バイクを走らせ5時過ぎ到着。

 

木曽谷は、町とか村ばかりで、人口も少ないので、店や集落がまばら…

かと思えば、スーパーやコンビニ、ガソリンスタンド等の店もあり、思ったほど過疎地のような風景ではなかったです。

 

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特に木曽福島*1は、木曽地方の中心地ながら、

道路の両サイドに小さな店が建ち並び、中心部には商店街や温泉旅館街もあるような街でした。

人が少ない地域の割に、賑わいを感じさせるような場所で、安心感を覚えました。

特に、イオンがあったことには驚きましたね。

…やっと夕食と朝食(半額になった弁当)が確保できる…。

 

木曽福島は、中山道の宿場町の一つ。

昔ながらの建物が集まったエリアと(小さいですが)、古めかしい商店街や温泉旅館街、川沿いの静かな住宅街が、狭い谷の中に詰まったような町で、入り組んでいて、起伏があって面白い街です。

中山道の関所もあり、江戸時代は交通政策上、重要な拠点だったそうです。

 

 

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 ★長野県上松町ソースかつ丼と信州そば孤独のグルメ風)

木曽福島から、宿のある上松(あげまつ)まで 戻り、時間に余裕があったので、
せっかくだから地元のスーパーに入り、朝食を確保しようとしました。
スーパーは7時に閉まるギリギリで、店じまいの準備を着々としている中、菓子パンを2個ゲット。

スーパーが閉まって、あと10分で飲食店を探さねば!?
…そう思ったとき、上松駅前の和食店っぽいところに飛び込みました。

この店はパッと見、商店街にあるような、たこ焼きや一銭洋食を買って、店内でちょっと食べられるような店かと思いました。
メニューにはカラフルなアイスクリームがあったり、ラーメンがあったりと、

高校生が部活帰りに寄り道してそうなメニューがたくさん。

 

店内を見渡してみると、地元の人が多い印象でした。

ゴルフを終わって一杯飲んでいるおじさんたち、

お父さんと息子さんが仕事の話をしていたり、

地元のおじさんとおばさんが慣れたように話して焼きそばをすすっていたり…

 

地元の人の社交場のような店でした。

 

そんな店に一人、よそ者が入ってくると、さみしさを感じるものですが、

僕は不思議とさみしさを感じなかったのです。(アウェー感は感じたけど)

 

「地元の空気に触れて、地元の味を食べるんだ…」という意欲が勝っていました。

 

 

そんな中頼んだのが、ソースかつ丼と信州そばのセット(1000円)。

ざるそばの容器が、プラスチックで、つゆを入れる窪みが付いていて、この「セット感」が、妙に安そうに見えるんですが、地元のファストフードのような店だったので、この安そう感も悪くないなぁ、という印象でした。

 

ソースかつ丼は、木曽から山を越えた駒ケ根市を中心に食べられているカツ丼で、長野県では結構ポピュラーです。(愛知県のご当地料理、味噌カツ丼もポピュラーでした)

 

そばを食べてみると…、

「おっ!なかなかしっかりした歯ごたえで、いける!」

 

木曽は西北に、開田高原(後述)というそばの産地を構えています。

その地のそばかはわかりませんが、思わぬ店で当たりを引いた感じでした。

ソースカツ丼は、わりと普通でした)

 

 

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★木曽に2400円で泊まろう「ゲストハウスきらら」

 

今回の宿は、上松にある「ゲストハウスきらら」でした。

2016年に出来た宿で、日本家屋の和室に相部屋(一部屋2,3人)で、布団で寝るというものでした。

夜も涼しかったので、なかなか快適…というより、冬の布団を上からかぶっていないと、寒いくらい、木曽谷の夜は冷えます。

 

ちなみに、ここは「酵素風呂」というのが売り物で、

入浴方法は、砂蒸し風呂のように、酵素の砂を体の上に掛けて、顔だけ出して埋めてもらうという、変わったものでした。1回2500円(5回分回数券で1万円)で入れます。なかなかレアですよ。

(もちろん、普通のシャワー室も使えます)

 

 

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★大平峠 テント泊にしなくて良かった

 翌朝、7時出発。

 木曽から山を越えて、伊那谷の飯田を目指します。

そのために山越えをするのですが、せっかくだから整備された国道はやめて、

昔の旅人のような旅をしている雰囲気の峠道を越えようと思います。

 

その名も、大平峠

 

まず写真を見てください。

この雰囲気、危なさそうでしょう。

道も荒れ、法面にはコケがびっしり生え、高い杉の雑木林で覆われた道…。

出てくる錆びた看板が、道を行く先の危険を暗示しているかのようで、冷や冷やしてきます。

熊も出るそうで、登山道の入口には、熊よけの鐘が置いてあったりと、緊張感が止まない峠です。

 

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ちなみに、この旅を始める前に、

「テントツーリングをやろう!」

と、テントを背負いながら移動し、行く先々のキャンプ場にテントを張って、宿泊しようというのを目論んでいました。

(手頃なテントが買えず、計画は中断しましたが)

 

この峠のおどろおどろしい雰囲気…

熊が出るという報告…

ただ走るだけでもおっかないのに、こんなところで、夜、テントを張って宿泊なんてできるのか?

今思えば、テント泊にしなくて良かったと思っています。

テント泊になれていない人は、いきなりハードモードにしないで、近所の公園等、イージーモードから始めた方がいいですね。

 

心細い山道で、屋根がある家があって、布団があって、食べ物があって、お風呂に入れて…

いつも手に入る当たり前のことが、とてもありがたいと思えたのは、貴重な経験でした。

 

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そして峠は、最も上へ。

木の中に埋もれたように、突如空洞が顔を出します。

トンネルです。上には山がありませんが、なぜかトンネルがどっしり座っています。

 

これまた怖い。

もし霧が出てきたら…あまりにも何かが出そうな感じがします。

 

 

その峠を抜けた先に待っていたのは…

また次回にお届けします!

 

*1:現在は合併して、「木曽町」になりました