天理参考館~奈良県で世界を一周する方法?~
前回、奈良県の天理市は1日中楽しめる!という話をしましたが、
今回天理市に来たのは、この「天理参考館」という博物館が目当てでした。
一言で言うなら、未知の民族の仮面や民族衣装が展示してあるような、
世界の民族の生活と文化を見て回れる博物館なのです。
ある意味この博物館で世界旅行を疑似体験できてしまう優れモノです。
ほんの一部だけを紹介しちゃいますね。
①古代メキシコ・オルメカ文明の巨石人頭像
紀元前1200年前に、中央アメリカで栄えた文明の頃に作られた巨大な石像で、
ジャングルの中から突然発見されたとか!
どうやって作ったんだ…
ジミー大西ちゃんじゃないですww
②台湾・少数民族の彫刻(柱用?)
まず、台湾にパプワニューギニアやポリネシアのような、先住民がいて、彼らのようにいかにも先住民、って感じの民族衣装を着ている人がいるというのを知らなかった。
台湾の先住民は、マレーやポリネシアから渡ってきた人々らしく、中国から漢民族が移住してくる前から台湾に住んでいて、その後、漢民族と同化していき、現在はごく少数(約54万人)しかいなくなってしまったとか。
③東南アジア・ボルネオ島のダヤックの衣装
そこでは、今でも昔ながらの衣装を着て、熱帯雨林に住んでいる人がいるとか。
ビーズで出来た衣装や道具の模様が素晴らしいです。
④ベトナムや台湾で、つい最近まで使われていた、昔ながらの船
ゴンドラやいかだ、帆掛け舟といった、原始的なつくりの船を使って、
人や物の運搬をし、小舟は水辺の人々の生活に欠かせないものだったそう。
スクリーンの前を通ろうとすると、いきなり影絵が映し出され、芝居が始まる演出が、釘付けでした。
シルエットが動く姿は独特で、そこに声と音楽が入ってきます。
ぼやけて全体が見えない影絵は不思議なもので、自分の暗い面にも訴えかけてくるような魅力がある。何回見ても引き込まれてしまいました。
ちなみに、中国コーナーにも、台湾の影絵芝居を映したものがあります。
⑥グァテマラの機を織る女性
中央アメリカの高地に住む民族の女性は、機を織って服を作れるようになって、やっと一人前だというそうです。
そうした手仕事で作った衣装の、色鮮やかさと、色の組み合わせは、なかなか美しいですね。
やっぱり一番圧巻だったのが、この仮面がズラリと並んでいるところでした。
薄暗い場所に、20体も仮面が並んでいれば、まるで百鬼夜行。
とにかく造形が独特すぎ。
よくも人間は、こんな形を思いつくものだと、人間の想像力の果て無さに驚かされます。
その土地では当たり前のものが、もはやアートのレベルになっちゃってますからね。
言葉で説明するより、ただただ感じてください!
ちなみに、考古学のコーナーもあったのですが、ここは古代の日本・朝鮮・中国の出土品がメインで、個人的にはそんなに楽しくはなかったです。
その中でも面白かったものは…
⑧甲骨文字
漢字の元となった字で、鹿の骨に刻まれています。
占いに使われたそうで、何かただならぬ迫力を伝えてきています。
⑨オリエント(中東)のモザイクタイル
古代ローマ時代のものらしく、当時いた動物(馬、魚、ライオン)が描かれているのが、ちょっとかわいい。
昔は色がついていて、鮮やかだったかもしれませんね。
外観は、いかにも天理教らしい、コンクリートのベランダに、ゴツイ瓦屋根というもの。
そんな感じで、3階建ての博物館でしたが、半日はじっくり楽しめます。
関西にはもう一つ、「国立民族学博物館」(大阪府吹田市の万博公園内)があり、こちらの方が全世界を網羅していて、一日では回りきれないくらいの展示数も内容も濃い博物館があります。
また、少し遠いですが、「リトルワールド」(愛知県犬山市)という、世界各地の伝統的な家を実物大再現した遊園地(+民族学博物館)もあり、こちらも見ごたえがあります。民族衣装を着たり、世界各地の食事を手軽に食べられたり、見るだけじゃなく、衣食住体験できるので、五感で楽しめる民族学博物館だな、と思います。
僕は国立民族学博物館と、リトルワールドと、天理参考館を合わせて、日本三大民族学博物館と呼んでいますが*1、関西(と東海)は、それが近くにあるので、民族学や民族衣装好きなんかには、すっごく恵まれた土地だなと感じました。
*1:他にもこれに近い博物館があったら、教えてください。