流れて消えるだけじゃ、語り合えないから

この人いいな、という人は、前向きでも後向きでもなく、ただ中間の状態でその場を動いているだけ。

違和感を感じ取る ⇒ 意識化する

自分と他人の感じ方の違いを認識したり、何かが変だと感じることを、「違和感を持つ」といいますが、

それを通して、自分の感じ方を知ることも、自己分析の一つの方法です。

自分の感覚や感性が人と違う。

人一倍敏感なところがあったり、

他の人が感じていない感覚や感情を感じることを認識することでも、

自分とはどんな人間かを知る手がかりの一つになります。

その違和感が大きいものでも、些細なものでも、

そこに対して「おかしいな?」「どうしてだろう?」とアプローチすることで、

思わぬ自分の特性に気づけるかもしれません。

★自分が日常暮らしていて、「あれ?」と思った場面を覚えておく

例えば、いつも電車で通勤をしていて、おじさんが乗ってきて、隣に座ってくる場面があります。

そのとき、なんだかわからないけれど、避けたい気持ちになってしまいます。

何かあったら、話してやりとりをしなければならないけれど、

なるべく積極的には関わりたくない、隣にいるだけで、微妙にだるさを感じるということがあったとします。

普段、こうした場面は、「電車が遅れて間に合わなさそう」とか、原因がはっきりしていて、日常生活に多少支障をきたすものではないので、見過ごされがちです。

しかし、案外こうした「なんだかわからないけれど」という、場面に、自分はどういうものが苦手で、とか、ストレスを感じる瞬間、とかの特性が隠れていることがあります。

その「なんだかわからないけれど」、「あれ?」と違和感を感じる場面を覚えておきます。

★「あれ?」と思った場面を意識化する

その後頭の中で、違和感を覚えた場面をリプレイし、

どの場面が嫌だったかを、さらに細かく切り取ります。

先ほどの、「おじさんが隣に座ってきた」のが嫌だったを例にして分析すると、

「おじさんに対して、過去に嫌な経験があった」とか「嫌なタイプのおじさんと、体型が似ている」とか、嫌な部分が抽出されていきます。

こうして意識化されていったり、言葉で言い表せるようになったりする(言語化)ができると、自分のことが理解できてくるチャンスです。

「何が嫌なのか」がわかれば、次は、「なぜ嫌なのか」とか、「なぜこんな反応をしてしまうのか」という、原因の方にアプローチできます。

ただ、この「なぜ」は、最初ははっきりわからなくても大丈夫です。

思いつく限りの原因を、あれこれ頭の中で思いついたり、あるいは、過去あった出来事に関係があるなら、過去の出来事を思い出しているうちに、その中から原因となるものが浮かび上がってくるかもしれません。

違和感の正体というものは、すぐにはわかりません。

しかし、違和感を意識化し、何に違和感を感じるのかを覚えておいたら、

その共通するキーワードが見えてくると思います。

そうなれば、より自分への理解が進むのではないでしょうか。